3期 1⃣-2 解答(20問)

問題1 細菌の菌体構成成分はどれか。1つ選べ。

a ペプチドグリカン

b ヒスタチン

c アクチン

d カルモジュリン

解答:a

細菌の細胞質の外側に、ペプチドグリカン層と呼ばれるアミノ糖とペプチドで構成される多層構造が存在する。

 

問題2 ヘムタンパク質はどれか。1つ選べ。

a シトクロムC

b コラーゲン

c イムノグロブリン

d ミオグロビン

解答:a

ヘムタンパク質は、鉄原子をヘム基の形で含む鉄たんぱく質の総称である。動物の血液や筋肉に存在して酸素の運搬を担うヘモグロビンやミオグロビンのほか、電子伝達に関与するチトクロム、過酸化水素を分解する酵素のカタラーゼなどがある。

 

問題3 プロテオグリカンの分解に関与するのはどれか。1つ選べ。

a ゼラチナーゼ

b ラミニン

c コラゲナーゼ

d ストロムライシン

解答:d

ストロムライシンは基質へ特異性が低く、プロテオグリカンやラミニンなどのマトリックスを分解する。

 

問題4 第三鰓弓に由来するのはどれか。1つ選べ。

a アブミ骨

b 喉頭軟骨

c 舌骨大角

d 舌骨小角

解答:c

第三鰓弓軟骨は舌骨大角になる。

 

問題5 歯質溶解性を減少させるのはどれか。1つ選べ。

a Ca2+

b F-

c K+

d HPO42-

解答:b

Ca2+は、水素結合により歯質の結晶性を高める。

 

問題6 舌背を高める作用を持つ筋はどれか。1つ選べ。

a 縦舌筋

b 横舌筋

c 舌骨舌筋

d オトガイ舌筋

解答:d

オトガイ舌筋は、舌の下部の大部分を形成し、舌本体を前方に引っ張る作用を持つ。

 

問題7  下顎の側方運動時に、非作用側で収縮が起こるのはどれか。1つ選べ。

a 内側翼突筋

b 側頭筋

c 咬筋

d 顎舌骨筋

解答:a

下顎の側方運動時に、非作用側で収縮が起こるのは、内側翼突筋や外側翼突筋である。

 

問題8 内頸静脈と並走しているのはどれか。1つ選べ。

a 外頸静脈

b 総頸動脈

c 上大静脈

d 前頸静脈

解答:b

総頚動とは、大動脈からの血液を脳に送る太い血管のことである。脳に血流を送る内頸動脈と、顔面や頭皮に血液を送る外頸動脈に分岐する。

 

問題9 軟口蓋の味蕾の支配神経はどれか。1つ選べ。

a 舌咽神経

b 鼓索神経

c 大錐体神経

d 上喉頭神経

解答:c

口蓋には舌と独立した味覚機能が存在し、その支配神経は顔面神経の枝である大錐体神経である。

 

問題10 飲水中枢があるのはどれか。1つ選べ。

a 視床

b 視床下部

c 延髄

d 中脳

解答:b

視床下部は自律神経系の中枢である。体温調節、血圧、心拍数、摂食行動や飲水行動、性行動、睡眠など本能行動および怒りや不安などの情動行動を調節する。

 

問題11 睡眠薬が作用する受容体はどれか。1つ選べ。

a GABA受容体

b オピオイド受容体

c グリシン受容体

d アセチルコリン受容体

解答:a

脳内の神経伝達物質の中で、GABAは抑制性の神経伝達物質として働く。

 

問題12 ドレオピテクスパターンはどれか。1つ選べ。

a +5

b X5

c Y4

d Y5

解答:d

ドレオピテクスパターンとは、下顎大臼歯において,後外方の咬頭 (表面の突出部) をはさんだ両側の溝と,内方の溝によってY字の形がつくられているものである。数字は咬頭数である。

 

問題13 象牙質に存在し、Ebnerの成長線が強調されたものはどれか。1つ選べ。

a 周波条

b Hunter-Schreger条

c Retzius条

d Owen外形線

解答:d

Owen外形線とは、象牙質の成長線であるEbnerの成長線が石灰化不全により強調されたものである。

 

問題14 内毒素の生理活性で正しいのはどれか。1つ選べ。

a 血液凝固阻害

b T細胞活性

c B細胞活性

d 組織修復作用活性

解答:c

内毒素はグラム陰性菌の細胞壁の成分であるリポ多糖のことで、積極的には分泌されない毒素を指す。

 

問題15 タンパク質変性はどれか。1つ選べ。

a 色素変性

b 糖原変性

c 粘液変性

d 石灰変性

解答:c

粘液変性は、上皮性粘液ないし結合組織性粘液の産生異常を原因とする変性の総称である。粘液は、糖タンパク質で構成されている。

 

問題16 【記述問題】タンパク質生成における、小胞体とゴルジ体の役割について説明せよ。

解答:小胞体はタンパク質の輸送、ゴルジ体はタンパク質の濃縮を行う細胞小器官である。

 

問題17 【記述問題】古典的条件付けとオペラント条件付けの違いを説明せよ。

解答:古典的条件付けは、条件反射として受動的に学習されることを示す。オペラント条件付けは、ある行動が「強化」という機能によって能動的に学習されること示す。すなわち、古典的条件付けは受動的に成立し、オペラント条件付けは能動的に成立する点が異なる。

 

問題18 【記述問題】turnerの歯が生じるメカニズムを説明せよ。

解答:乳歯の根尖性歯周炎や歯槽膿瘍により、後続永久歯のエナメル質が形成不全になることで生じる。

 

問題19 【記述問題】コンポジットレジン修復で、レジンが歯質に接着するメカニズムを説明せよ。

解答:象牙質の粗造な凸凹内にはまり込んで機械的に篏合すること、モノマーが歯質に化学的に強固に結合すること、である。

 

問題20 【記述問題】歯磨剤に含有されている、歯肉炎予防と歯周炎予防の薬用成分を列挙せよ。

解答:歯肉炎予防の薬用成分は、塩化セチルピリジニウム・塩化ベンザルコニウム・トリクロサンである。
歯周病予防の薬用成分は、トラネキサム酸・塩化クロルヘキシジン・塩化ナトリウム・グリチルリチン酸ジカリウムである。