3⃣-4 解答(20問)
問題1 ダウン症の特徴で正しいのはどれか。1つ選べ。
A 小顎症
B 長頭
C 舌が大きい
D 性的早熟
解答:C
ダウン症で多く見られる特徴は、次のとおりである。
例:平たい顔立ち、大きな舌、つり目、横に流れる模様の指紋、手のひらの横一直線に深いしわ
問題2 脳性麻痺患者の治療に効果的な体位はどれか。1つ選べ。
A ボバースの反射抑制姿勢
B 仰臥位
C 側臥位
D トレンデレンブルグ体位
解答:A
ボバースの反射抑制姿勢は、股関節と膝関節を屈伸させた体位である。クッションなどを利用して作る。
問題3 インスリンについて正しいのはどれか。1つ選べ。
A 肝臓から分泌される
B 血糖値を低下させる
C ステロイドホルモンである
D 抗利尿作用がある
解答:B
インスリンは、膵臓から分泌される。糖の代謝を調節して、血糖値を一定に保つ。ペプチドホルモンである
問題4 分泌が舌咽神経支配の唾液腺はどれか。1つ選べ。
A 耳下腺
B 舌下腺
C 顎下腺
D 口蓋腺
解答:B
顎下腺、舌下腺、口蓋腺は顔面神経支配である。
問題5 白板症の説明で正しいのはどれか。1つ選べ。
A 悪性腫瘍である
B 上皮の過角化がみられる
C 擦過により除去される
D 中年以降の女性に後発する
解答:B
白板症は次の特徴を持つ。
例:白板状、舌や歯肉に好発、中年以降の男性にやや多い、擦過により除去できない、約5%が癌化する、病理組織学的な上皮性異形成が癌化する
問題6 加齢変化によって生じる象牙質はどれか。1つ選べ。
A 球間象牙質
B 管間象牙質
C 修復象牙質
D 透明象牙質
解答:D
加齢に伴い、象牙細管の内部が石灰化する。
問題7 PCR(Plaque Control Record)について正しいのはどれか。1つ選べ。
A 歯面のプラークの有無を評価する
B 全歯が対象である
C 1歯を頬面と舌面に分けて評価する
D 歯面の白濁も評価する
解答:B
PCR(Plaque Control Record)は、歯頸部のプラークの付着の有無を評価する。対象歯は全歯である。1歯を4歯面(頰側、舌側、近心、遠心)に分けて、染色された歯頸部の歯面数をカウントする。
PCR=(プラークが付着している歯面数÷被検歯面数)×100(%)
問題8 口腔粘膜の表面で感染防御にかかわる唾液中の免疫グロブリンはどれか。1つ選べ。
A sIgA
B IgE
C IgM
D IgG
解答:A
分泌型IgA(sIgA)は二量体がとして分泌される。唾液、涙、鼻粘膜、母乳(特に初乳)、気管支などの粘膜分泌物中に存在する。
問題9 「歯槽骨の破壊がみられるが、探針はわずかしか入らない」ものはどれか。1つ選べ。
A Glickmanの根分岐部病変分類1級
B Glickmanの根分岐部病変分類2級
C Glickmanの根分岐部病変分類3級
D Glickmanの根分岐部病変分類4級
解答:B
Glickmanの根分岐部病変分類。1級:歯根膜に炎症が限局。欠損はみられない、2級 : 歯槽骨の破壊がみられるが、探針はわずかしか入らない、3級 : 探針は貫通するが歯肉で覆われている、4級 : 分岐部が口腔内に露出している
問題10 ドライソケットについて正しいのはどれか。1つ選べ。
A 疼痛は2~3日続く
B 根管治療後に発生しやすい
C 抜歯窩から血餅が剥がれることが原因である
D 細菌感染との関連は認められない
解答:C
ドライソケットは、抜歯窩が血餅によって塞がれずに、骨が露出したまま細菌感染が起きることで生じる。10日〜2週間、長い場合で1ヶ月ほど痛みが続く。
問題11 歯周ポケット掻把術について正しいのはどれか。2つ選べ。
A 骨縁下ポケットに適応する
B 歯根膜の新付着を期待する
C 前歯部のみの適応である
D スケーラーを用いる
解答:BD
歯周ポケット掻爬術は、スケーラーを用いて、歯周ポケット内の炎症組織と汚染セメント質を取り除く処置である。炎症の消退と歯周ポケットの減少により、清潔になった歯根面に新付着を期待する。
問題12 シャープニングにもちいる天然研石のうち、オイルが潤滑剤であり、仕上げに用いるどれか。1つ選べ。
A ルビーストーン
B インディアナストーン
C セラミックストーン
D アーカンサスストーン
解答:D
シャープニングに用いる砥石の特徴は次のとおりである。
種類 |
名称 |
潤滑剤 |
きめ細かさ |
用途 |
人工砥石 |
ルビーストーン |
水 |
粗い |
形態修正 |
インディアナストーン |
オイル |
中間の細かさ |
形態修正 |
|
セラミックストーン |
不要(又は水) |
最も細かい |
仕上げ |
|
天然砥石 |
アーカンサスストーン |
オイル |
細かい |
仕上げ |
問題13 歯周病の全身的リスクファクターで正しいのはどれか。2つ選べ。
A 喫煙
B 歯磨き
C 口腔習癖
D ストレス
解答:AD
歯周病の局所的なリスクファクター(口腔内の環境など)
例:歯石、歯並び、不適合な修復物など、口腔習癖、口呼吸、歯ぎしり
全身的なリスクファクター(生活習慣など)
例:喫煙、ストレス、食習慣
問題14 フッ化物洗口法の毎日法で正しいのはどれか。1つ選べ。
A フッ化物イオン濃度225ppm
B 主に保育園・幼稚園で採用
C 洗口後30分間は飲食・うがいを控える
D 3分間ブクブクうがいを行う
解答:C
フッ化物洗口法は、永久歯のう蝕予防を目的に、一定の濃度のフッ化ナトリウムを含む溶液で1分間ぶくぶくうがいを行う。
週5回法:0.05%フッ化ナトリウム溶液(フッ化物イオン濃度225ppm)
週1回法:0.2%フッ化ナトリウム溶液(同900ppm)
問題15 DMFT歯数のうちMは何か。1つ選べ。
A う蝕歯
B 喪失歯
C 修復歯
D 未萌出歯
解答:B
DMFTとは、う蝕歯(D)、喪失歯(M)、修復歯(F)である。
問題16 【記述問題】骨粗鬆症の患者の抜歯時に、気を付ける薬剤は何か。
解答:ビスフォスフォネート系製剤
ビスフォスフォネート系薬剤は、破骨細胞のアポトーシスを促進させ、破骨細胞の生存期間を短縮させる。そのため、骨代謝が阻害され、腐骨を生じる可能性がある。
問題17 【記述問題】混合腺(漿液が主)であり、導管は口底前方部の舌下小丘に開口する大唾液腺は何か。
解答:顎下腺
顎下腺は顎下三角部にある混合腺(漿液が主)であり、導管は口底前方部の舌下小丘に開口する。
問題18 【記述問題】Lindhe & Nyman の分類の2度は何か。
解答:分岐部にプローブは歯の幅の1/3以上入るが、貫通しない
〈Lindhe & Nymanの分類〉
1度:分岐部にプローブは入るが、歯の幅の1/3以内
2度:分岐部にプローブは歯の幅の1/3以上入るが、貫通しない
3度:分岐部が貫通する
問題19 【記述問題】アナフィラキシーの原因となる免疫グロブリンは何か。
解答:IgE
〈免疫グロブリンの種類〉
IgG:血液中に最も多く含まる(免疫グロブリン全体の80%)
白血球の働きをサポートする、胎盤を通過して胎児に移行する
IgA:喉、腸、気管支などの粘膜に分泌される
血液中ではY字型の構造だが、粘膜の表面ではY字型が2つ結合した構造
IgM:病原菌やウイルスに感染した時に最初に作られる免疫グロブリン
IgD:リンパ球の成長や分裂に何らかの役割を果たしている可能性がある
IgE:最も量が少ない免疫グロブリン
アレルギー反応が関係した疾患にかかるとIgE値が増加する
問題20 【記述問題】糖尿病が歯周病に与える影響を簡潔に説明せよ。
解答:糖尿病が歯周病の発症や進行に及ぼす影響の例
①口腔乾燥
高血糖状態では浸透圧の関係で多尿になるため、体内の水分量が減少する。その影響で、唾液の分泌量も減少し、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなる。
②唾液の糖分濃度が高くなる
高血糖状態では唾液や滲出液の糖分の濃度が高くなり、歯周病の菌が繁殖しやすくなる。
③細菌に対する抵抗力の低下
高血糖糖状態では白血球の機能低下が生じるため、歯周病の菌が繁殖しやすくなる。
④組織の修復力の低下
高血糖糖状態では組織を修復力が低下し、歯周組織の回復が遅延する。